
数学で出てくる「 \(\ell\) 」は,アルファベットの小文字のエル「 \(l\) 」の筆記体です。
「直線 \(\ell\) 」や「長さ \(\ell~\mathrm{cm}\) 」などでよく出てきます。
直線の英語 line や,長さの英語 length の頭文字でしょう。
数字のイチ「 \(1\) 」と小文字のエル「 \(l\) 」が区別しにくいから,筆記体の「 \(\ell\) 」が使われるようです。
教材や入試問題によっては「 \(l\) 」が使われているものもあるので,「 \(l\) 」も「 \(\ell\) 」も小文字のエルだと知っておきましょう。
手書きだと

なるほどわからん。
書き方に特に決まりはないので,計算途中で自分が読み間違えないようにするためと,テストの採点者に簡単に区別してもらえるように

くらいに書き分けるといいと思います。
2 年生で「 \(\ell\) 」がなんなのかわからないまま放置していた人が判明したので記事にしておきました。
━ おまけ① ━
水の体積などの単位の「リットル」ってどう書きますか。今の中学生は「 \(\mathrm{L}\) 」しか見てないと思いますが,私くらいのおっさんは「 \(\ell\) 」とか「 \(d\ell\) 」で習いました。
2011 年度の教科書からは国際基準(SI 単位)にあわせた「 \(\mathrm{L}\) 」や「 \(\mathrm{dL}\) 」に変わっています。
━ おまけ② ━
Microsoft Word などで数学のプリントをつくるときに,小文字のエルをそのまま(ローマン体で)入力すると「 \(\mathrm{l}\) 」となって,さらに数字の「 \(1\) 」と見分けがつきにくいです。
数学の文字としてエルを使うときは,フォントを『Century Schoolbook』や『Times New Roman』にして,イタリック体にすると「 \(l\) 」に近い形になって見やすくなります。
フォントの『MT Extra』があればエル「 \(\mathrm{l}\) 」を「 \(\ell\) 」にできるので試してみてください。